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演劇戦隊カンゲキジャー

Posted by kasahara on 14.11.05 20:05
上演高校名:仙台市立仙台商業高等学校
人数   :9名(男0~4、女9~5)台本上は女9で書かれています。
カンゲキジャー(公開用).doc(ワードのフォーマットでダウンロード出来ます。)

=== キャスト ===

白石純菜 …… 高校3年生
青木  …… 小学校教師、元劇団員
赤間  …… 劇団のリーダー
黄田  …… 劇団員
緑  …… 劇団員
金城  …… 警部
黒崎  …… 巡査長
紺野  …… 巡査
母  …… 純菜の母親
ニュース …… (声のみ)

舞台は奥が一段高くっており、奥の上下にちょっとしたスペースがある。中央より上手側に奥の台から下に降りる段差が設けられている。白石、舞台下奥の台に座っている。母、白石の後ろ姿に声をかける。

母   「純菜!いつまで携帯いじってたら気が済むの!!いい加減にしなさい。あんた明日から期末テストじゃないの?ちゃんと勉強しなさい」
白石 「わかってるってば。今からやろうと思っていたのに言わないでよ。ちゃんと予定立ててるから…」
母 「あんたいっつもやるやる言って、結局やってないじゃない。いつもあんな点数で」
白石 「今回は違うもん!」
母 「何が違うの!?期末でテストで良い成績取らないと、大学受験にも響くのよ!」
白石 「知ってるよ。でもさ、私本当は…」
母 「何?」
白石 「ううん、なんでもない」
母 「そう。ま、あんたが演劇続けたいって言わなくなって、ちょっと安心してるわ。だいたい演劇だけで食べていけるなんて思っちゃだめね。もっと現実を見ないと。やっぱり収入は大切。純菜、あんたには将来お金で困って欲しくないの。だからもう二度と演劇続けたいなんて言わないでね。
白石 (うなずく)
母 じゃ、さっさと勉強しなさい。評定足りなかったら推薦もらえないよ」
白石 「…」
母 「返事は?」
白石 「…はい」
母 「じゃ、母さん買い物行ってくるから。ちゃんと勉強しておくのよ」

母、ハケル

白石  「はぁ…。またちゃんと言えなかった。大体、現実見なさいって言うけど現実に女優さんだってたくさんいるじゃん。だったらきっと私にだってなれるはず!…なーんて。これが現実見てないってことなんだろうな…。演劇部に3年間もいたのに、主役どころか準主役だってやったことないんだもん。プロになんてなれるはずないよね…。あー!考えるの面倒になって来た。散歩いこ」

白石、台の上を下手へはける。暗転。街の喧騒。明転。下手前から黒崎が登場。ほどなくして白石も下手前から登場。

黒崎 「扇子~扇子~、扇子如何ですか?あ~そこの奥さん、扇子如何ですか?、え、間に合ってる。あ、そうですか…。あ、そこのクールなシャツのお父さん、そうあなたですよ。この扇子、センスいいでしょ~なんちゃって。あ、お呼びでない…。おっと~待ってましたよ。そこのお姉さん、魅惑のセンス。う~ん、そうだな、あなたはこっちの白いのが似合うかな」(実際の観客をいじるので、前半の台詞は臨機応変に)
白石 「え?別にいらないですけど」
黒崎 「絶対必要になるから、どうぞ使って使って」
白石 「使ってって言われても…」
黒崎 「扇子を開くときは、出来るだけ人のいない所で開いてね。毎度あり~」
白石 「あの、お金は?」
黒崎 「もう頂いてますよ?」
白石 「え?」
黒崎 「扇子~扇子~、扇子は如何ですか~」

黒崎上手にハケル

白石 「なんだこれ…。人前で開くなってことは、開くとちょっとヤバイ感じの事が書いてあるとか?っていうか、私お金渡した記憶無いんだけどなぁ…」

白石、下手に置いてあるベンチに座る

白石 「ここなら、誰にも見られないよね」

扇子をおそるおそる開く。

白石 「え、何!どうなってるの!!」

派手なエフェクト・SEとともにタイムスリップ
場面は、警察署の一室。金城はスマデ(スマートデバイス)で相撲中継を見ている。そこへ黒崎入ってくる。

金城 「おお、いけいけ、そこ!あ、バカ、あ~あ~あ~、あ~~~~」
黒崎 「どしたんですか」
金城 「極道山さぁ、せっかく上手取ったのに、引いて叩き込まれそうになったところを残したまではいいんだけど、上体起こしすぎて逆によられて終わり」
黒崎 「今場所は、調子悪いですね」
金城 「これは推測だけど、先月山口組顧問の尾崎がしょっ引かれたでしょ」
黒崎 「あ~、警察官に向かって発砲しちゃった事件ですね」
金城 「うん、あれショックだったんじゃないかな」
黒崎 「っていうと?」
金城 「極道山は、彼にだいぶお世話になっていたみたいで、お前は堅気に戻れって、力士になるのを後押ししてくれたのが、捕まった尾崎らしいのよ」
黒崎 「え!!」
金城 「お前知らないの!?だから極道山っていうしこ名にしたらしいよ」
黒崎 「へ~、そうだったんですか」
金城 「前歴はどうあれ、外人力士に立ち向かえる日本人力士って、今極道山くらいしかいないからね。がんばってもらわないと」
黒崎 「そうですね。ってか、相撲は規制されないんですかね?」
金城 「まぁ、それは私の権限でね」
黒崎 「え!あなたそんなにすごい人だったんですか!?」
金城 「嘘だよ。まぁ、やってんの外人ばっかりだしなぁ。相撲が最後の砦だろうな」

金城の電話が鳴る。

金城 「はいもしもし、こちらおやぶん。…何!青木が!よし、行き先が分かったらすぐ連絡を入れろ!青木が動き出したとさ、今日はどこへ行くかな」
黒崎 「今日はきっとヒットしますよ」
金城 「何でそんなことが分かる!?」
黒崎 「なんとなく、そんな気がするんです」
金城 「よし、出動準備!」
黒崎 「了解!」

場面は下手のベンチ。青木と白石が並んで座っている。
青木が先に席を立ち、それを目で追う白石。

白石 「あの…」

白石青木の後を追う。二人下手にハケる。そしてすぐ台の上に入る。

白石 「あの~」
青木 (つけてくる白石を一瞬見るが無視する)
白石 「あの~!」
青木 「何あなた」
白石 「あの、さっき扇子開いてましたよね」
青木 「それがどうしたの?」
白石 「私も持っているんです。扇子」

白石、扇子を見せる。青木の視界に紺野が入る。

青木 「喋らないで!」
白石 「え…?」
青木 「シーッ!」
白石 (うなずく)
紺野 「ねえ、あなた達。さっき立ち話していたでしょ!」
青木 (礼)
白石 (青木を見てあわてて礼)
紺野 「気をつけなさい!」
青木 (礼)
白石 (ちょっと遅れて礼)

青木、白石上手前にあるTAに入る。紺野は台の後ろ側に回り込み、ハケたと思わせといて、密かに双眼鏡で二人を監視する。時折、聞き耳も立てる。

青木 「ふぅ。危なかった~。あなた誰。何で歩行マナー無視するの?」
白石 「歩行マナー?」
青木 「まさか知らないの!?小学校でちゃんと教わるでしょ?歩行マナー」
白石 「歩行者は右側通行とか?」
青木 「そうじゃなくて、あそこで喋っちゃだめでしょ」
白石 「ええ!!何ですかそれ」
青木 「あそこTAじゃないでしょ」
白石 「TA?」
青木 「トーキングエリア。公共の場ではこのTAのマークがある所でしか喋っちゃいけないでしょ」
白石 「いつからそんな事になったんですか?」
青木 「いつからって、ずっとそうでしょ?」
白石 「えっ…。ここどこですか!?」
青木 「どこって、仙台市若林区の住宅街のちっちゃな公園」
白石 「日付は?」
青木 「2034年9月20日でしょ?どうしたの?」
白石 「2034年…。20年後…」(自分のスマホを見ながら)
青木 「20年後?ほら」(スマートデバイスを見せる。白石もスマホを見せる)
白石 「私、タイムスリップしちゃった!あ、これのせい?」

白石扇子を開いたり閉じたりして見るも、何も起こらない。

青木 「…あなた名前は?学生さん?」
白石 「白石純菜。高校3年生です」
青木 「純菜…」
白石 「どうかしたんですか?」
青木 「ううん、私は青木。あなたがここに来ちゃったのは私の責任かもしれない…」
白石 「どういうことですか?」
青木 「高校では何かやっていたの?」
白石 「演劇部で頼りない部長をやっていました」
青木 「やっぱりね。ほら」

扇子を見せる青木

白石 「…同じマークだ」
青木 「ね。でなきゃ普通こっちの世界に呼ばれたりしないもの」
白石 「ええ~、こっちのって、どういうことですか?」
青木 「あなたがいた世界とは別の世界とかかな」
白石 「はぁ…」
青木 「今こっちの世界はアメリカとロシアを軸とした2つの勢力に分かれて争っているのよ。言い方を変えれば第三次世界大戦ね。もうかれこれ7~8年は続いているんじゃないかしら。日本はまだ攻撃目標にはなっていないんだけれど、高校を卒業した男子は自衛隊に入るのを義務付けられて、戦地で活動しているのよ」
白石 「ええ!日本も戦争に参加しているって事ですか!?」
青木 「集団的自衛権を行使して戦争に加担。今も東ヨーロッパとか、中南米で多くの日本人が命を落としているかもしれない。だから残された私たちは戦地に配慮して一切の娯楽は禁止されているの。当然ながら喋り歩きもマナー違反とされているわけ」
白石 「そうだったんですか」

青木、何気なしに周囲を確認する。

青木 「私もちょっと前までは劇団に所属していたんだけど、娯楽禁止法が施行されて、劇団は辞めちゃった。今頃みんな何やっているかな~」
白石 「私これからどうしたらいいんだろう?」
青木 「いいわ、とりあえずしばらく私のアパートに置いてあげるわ」
白石 「え、いいんですか?」
青木 「今は一人暮らしのようなもんだし」
白石 「そうなんですか」
青木 「その前にちょっち行きたい所があるから、付き合って」
白石 「どこへ行くんですか?」
青木 「内緒。あ、ここ出たら、お喋り禁止だからね」
白石 「わかりました」

二人、上手奥にハケル。紺野、台に上る。先ほどまで二人が居たTAに移動。電話をかける。

紺野 「あ、おやぶん、青木が動き出しました。…これから追跡します。…了解!」

紺野、二人を尾行するためハケる。暗転
場所は変わって、劇団の稽古場。(中央前から下手前辺り)

黄田 「ぎゃ、ぎゃ~~!」

明転。赤間、緑走って出て来る。

赤間 「なんだ!どうしたんだ!!」
黄田 「ひ、ひひ人がっ!人がぁ!」
赤間 「なに!?おい、しっかりしろ…。チッ!」

赤間、くまごろうに近寄る。緑、黄田を起こすが起きない。

赤間 「本当だ…。死んでいる…。死因は…ん?何だこの写真は?(写真を拾う)ぐ、うぁぁぉおお!(崩れ落ちる)これは…なんて恐ろしい…」
緑 「銀田一さん!?それはいったい?」

赤間、写真を差し出す

緑 「うっうおおえええ。ごほっげほっ」
赤間 「す、すまない大丈夫か?」
緑 「は、はい。それにしてもひどい…。すごい威力ですね」
赤間 「ああ、凶器はこれに間違いないだろう」

黄田起きる。

赤間 「やっと起きたか」
黄田 「?」
赤間 「謎は全て解けた!!凶器であるこの写真が俺にこの謎を解くヒントをくれたのさ!」
黄田 (写真を見せられて)「ひっ!!」(緑に叩かれて正気を保つ)
赤間 「俺はどんな謎でも必ず解決する!そう、ばっちゃんの名にかけて!!」
緑 「それで、犯人は誰なんです?」
赤間 「ふふふ。そう焦るなって。犯人はこの中にいる!!」
黄田・緑 「ごくり」
赤間 「犯人は、お前だ~」
緑 「はーい、カット~。赤間、もうちょっと真剣にやったらどうなの?」
黄田 「ていうか、この芝居、本番いつ?」
赤間 「本番か~逆に、いつどこで出来そう?」
緑 「広いTA探して、ゲリラ的にやるしか無いよね?」
黄田 「観てもらえるかな~。普通に考えれば、路上芝居に興味持ったらうちらに関係しちゃうわけだから、もし現場を押さえられたら、一緒に警察行きになると思う」
赤間 (うなずく)
黄田 「っていう事を普通の人は考えるだろうから、うちらが芝居をしていても、知らんぷりするんじゃないのかな?」
赤間 「良くて、横目で見る程度か」
緑 「あ~もう、そんな事言ってたら、どんどんやる気無くなっちゃうじゃない、私たちは何のためにこうやって、アンダーグラウンドで細々と活動しているのか、分かってるの?」
赤間 「そりゃ、演劇の面白さを伝えるため、更には、表現の自由を勝ち取るため、そしていつか日本国憲法を国に守らせるため!」
黄田 「いよっ!リーダーいいぞ!」
緑 「そうよ、そのための私たちよ。がんばらなくちゃ!」
赤間 「でも、今のって建前じゃん。実際どうよ、青木も抜けちゃったし、表立って稽古も出来ないし、今の社会に俺たちを受け入れる雰囲気ってある?」
緑 「…」
黄田 「20%くらい?」
緑 「いや、30%くらいはあるんじゃない?」
赤間 「どっちにしても、半分行ってないよ…」
黄田 「そうなんだよね。ここに来るために会社にも嘘ついてるわけだしね…」
緑 「私は諦めないよ。SMF48のオーディションに受かった時の喜びは忘れられないもん」
黄田 「いつの話してんだよ…」

重苦しい雰囲気。青木と白石が上手奥から登場。接近アラームが鳴る

赤間 「誰だ?とにかくまずいものは隠せ」
黄緑 「了解!」

小道具を箱にしまう。ほどなくしてノックの音

赤間 「はーい、どちら様ですか?」
青木 「流水海に広がり、立つ波しぶき、カンゲキブルー参上!」
3人 「!!」
緑 「青木さん?」

急いでシャッターを開ける黄田、中に入る青木

黄田・緑 「青木さん!」
青木 「みんな、お久しぶり!!」
赤間 「青木、どうしてここに?」
青木 「ちょっと不思議な子に出会ってさ、みんな何やってるかな~って思って」
緑 「不思議な子?」
白石 「あ、こんばんは」
赤間 「お~、お客さんか?」
黄田 「まあ、入って入って~」
白石 「失礼します」
青木 「何か懐かしいな~この空気。あの頃とちっとも変ってないわね」
赤間 「劇団は存亡の危機だけどね」
青木 「その事については、本当に申し訳ないって思ってるわ」
赤間 「いいっていいって、学校の先生から反逆者出すわけにはいかないもんな。よし、10分休憩」
黄田 「腹減った~」(袖に入ってカレーを持ってくる)
緑 「こっち来て座りなよ」(白石に)
白石 「…ここが、青木さんが所属していた劇団の…」
緑 「ま、稽古場っていうか、隠れ家っていうか…」
黄田 「そんな所」
白石 「みなさん、役者さんなんですか?」
黄田 「あ~、ウチは時には役者、時には裏方、言ってみれば何でも屋。黄田です」
緑 「私は緑、純粋に役者。時には歌姫!」
赤間 「歌姫ね~」
緑 「いいでしょそのくらい言っても。で、一応リーダーの…、リーダーの!」
赤間 「へいへい、一応座長の赤間です。よろしく」
白石 「あ~…白石純菜です。高校3年です…」(青木に目配せ)
青木 「…彼女、家出してきちゃったんだって。たまたま私が保護出来たからいいんだけど、行く所無いから私のアパートに泊める事にしたの」
赤間 「へ~そうなんだ」
黄田 「親と喧嘩したとか?」
白石 「う~ん、まぁそんな感じ」
緑 「そう言う事は根掘り葉ほり聞かないの」
黄田 「あ、ごめんごめん」
白石 「ううん、気にしてませんから」
赤間 「で、何で今日ここに来たわけ?」
青木 「この子と話していたら、なんだかここに寄ってみたくなっちゃって」
緑 「もしかして、白石さん、こっち側の人?」
白石 「いや、何ていうか…」
黄田 「うちの劇団に興味あるの?」
白石 「興味無いわけじゃないですけど、突然連れて来られちゃっただけなんで」

紺野、金城、黒崎の順で、上手奥から登場。再び鳴る接近アラーム

青木 「え?」
赤間 「青木、他にも誰かに声かけたか?」
青木 「いいえ」
赤間 「じゃ、誰だ?」
紺野 「青木が入ったのはこの建物です」
金城 「ほう、ここか」

ノックをしてシャッターを開ける紺野。金城、黒崎入って来る。

金城 「こんにちは、警察です。ちょっと気になる情報が入ってね。まさかとは思うけど、一応確認させてもらってもいいかな?」
赤間 「何の確認ですか?今ちょっと時間無いんですけど」
金城 「ごめんね。本当にちょっとでいいんだけど」
赤間 「いや、今本当に忙しいので」
金城 「見られちゃまずいものでもあるのかな」

金城赤間から視線を逸らさず、部下に合図を出す。

黒崎 「あなたたち、市民カードを出しなさい」

黒崎市民カードを1枚ずつチェックし、警察用スマデでスキャンする。紺野は部屋をぐるっと回って眺めている

紺野 「青木さん、私が尾行していたの、気づきました?気づけませんよね。私プロですから」
青木 「な、何で…。今日に限って…」
黒崎 「…あなた、市民カードは?」
白石 「あ、え、ごめんなさい。家に忘れてきちゃいました」
黒崎 「仕方ないわね。住所と名前を教えて」

白石、青木を見る。青木、うなずく

白石 「え~と住所は、仙台市若林区新寺一丁目5-10、名前は白石純菜です」
黒崎 「学生さん?」
白石 「はい、高校3年です」
黒崎 「高校生ね」(スマデに入力しながら)
金城 「では、もう一度聞くが、君たちはここで何をしていたのかな?」
黒崎 「一般的に、広い場所で集会めいた事をするのは、変な疑いをかけられるのは分かっていますよね?」

紺野、小道具箱を開ける

紺野 「金城おやぶん、何やら怪しいものがあります」

金城、脚本をパラパラめくり、その辺に投げ捨てる。

金城 「ふっ、臭い芝居屋か?」
黒崎 「分かっているとは思いますが、演劇活動は法律で禁止されています。もし、公演の計画をたてようものなら、逮捕も辞さない。以後気をつけなさい!」
金城 「それは、もっていくぞ」
紺野 「はい。この箱は娯楽用品となりますので、押収いたします」
金城 「引き上げるぞ」
黒崎・紺野「はい」

金城、黒崎、出る。紺野、シャッターを閉める

金城 「ここは、巡回リストに入れておけ」
黒崎 「わかりました」

3人ハケル。

黄田 「あ~あ、見つかっちゃったね」
赤間 「遂に解散か~」
緑 「別に、公演しなきゃいいんでしょ」
赤間 「公演せずに練習して何の意味があるんだよ」
青木 「私が…。私がここへ来なければ…」
白石 「ごめんなさい」
赤間 「白石ちゃんは気にしないで。これは俺たちの問題だからさ」
白石 「でも、私が青木さんに声をかけなければ、こんな事にならなかったと思うんです」
黄田 「ウチは久々に、青木さんの顔が見られて、良かったかな」
赤間 「まあ、いいさ、しばらくは大人しくしているしかないかな」
青木 「みんな…ごめん…」
緑 「青木さん、気にしないで。こんな事で負ける私たちじゃないわよ」
赤間 「警察に場所が割れただけだ。台本はまた印刷すればいいし、黄田のセンサーがあれば、つかまる事はないから」
黄田 「そゆことー」
青木 「みんな…」

泣きそうになりながらも、視線をそらすとそこには警察に見つからずに残った1冊の脚本が。手に取る青木。

青木 「懐かしいなあ、この作品」
赤間 「ああ、青木が居た頃のやつか」
青木 「うん」
白石 「…カンゲキジャー。何か戦隊モノっぽい名前」
緑 「うん、バッチリ戦隊モノ。政府に反逆するヒーローって感じの作品かな」
白石 「へー」

青木、白石に台本を渡す

白石 「見ていいんですか?」
赤間 「どうぞどうぞ」
黄田 「カンゲキジャーか…青木さんが抜けたから、もう出来ない作品だな」
赤間 「抜けてなくても、公演は出来ないから結局意味ないけどね」
緑 「大地の恵み、萌ゆる緑、カンゲキグリーン参上!懐かしい~」
黄田 「そう言えば、青木さんも自分の変身セリフ、覚えてたね」
青木 「忘れるわけないでしょ」
緑 「私今でも、セリフ全部入ってるかもよ?」
白石 「面白そう。私、観てみたいな、皆さんのお芝居」
緑 「あなた、面白い事言うのね」
赤間 「青木、何でアンタがこの子をここに連れて来たかったのか、分かったよ」
白石 「この台本、借りていってもいいですか?」
赤間 「ああ、読みたかったら、どうぞ。その代わり、内容が内容なので、取り扱い注意だからね」
白石 「分かりました!」
赤間 「よし、今日の所は解散とするか」
黄田 「OK」
緑 「そうね」
赤間 「決めポーズ!お疲れ様でした」
全員 「お疲れ様でした!」

暗転・コオロギの鳴き声。地明かりブルー、下手前にベンチとTAの看板。そこだけはナマ明かりがある。ベンチに座って話す青木と白石。台の奥では、シーンの途中から警察に捕まる劇団員のシーンをシルエットで。

青木 「白石ちゃん、何か食べたいものある?」
白石 「え、ああ、お世話になるのに、リクエストなんて出来ません。それに、純菜って呼んでもらった方が、しっくり来ます。堅苦しいの嫌いなんで」
青木 「あら、そう。じゃ純菜、今日はカレー食べに行こうか?」
白石 「美味しいお店あるんですか?」
青木 「うん、黄田がいつも行ってる店」
白石 「私、お金ほとんど持ってないですけど」
青木 「そんなこと気にしないの。私社会人。あなた高校生。文句ある?」
白石 「ないでーす。あの…、青木さんが劇団辞めた理由聞いてもいいですか?」
青木 「…いいわ。話してあげる。私の夫って青木真っていうんだけど、実は仙台では名の通った俳優なのよ」
白石 「そうなんですか!」
青木 「うん。芯の強い人だったから、規制が厳しくなってからも娯楽禁止法が憲法違反だってことを市民に訴え続けてたのよ…」

後ろでは、青木の夫らしき人物(赤間)と数名の人間(緑、黄田)が芝居をしている。そこへ、警察3人が来て、逮捕。上手へ連行。

白石 「大丈夫だったんですか?」
青木 「警察には逆らえないわね。結局劇団員全員が逮捕されて、拘置所に入って。…何日かしたら、家に赤紙が来て。…夫は、拘置所からそのまま戦地に行っちゃった」
白石 「…見送ることも出来なかったんですか?」
青木 「…うん。どこから漏れたか分かんないんだけど、私も演劇活動やってるのが警察にばれちゃって、警察から目をつけられていたの」
白石 「そうだったんですか」
青木 「私が劇団に残ると、あの3人に迷惑がかかるから…」
白石 「それで…」
青木 「みんなには申し訳なくて…。さ、カレー食べに行くよ」
白石 「はい」

二人、TAから下手にハケル。
暗転。ジングル(TAの看板だけハケル)
明転。稽古場。緑が鼻歌(ユメセカイ)を歌いながら、小道具を片付けている。ベンチも定位置に移動。
赤間上手奥から登場。接近アラームが鳴る。赤間あるリズムでシャッターをノックする。

緑 「リーダーか」(入口に向かい、シャッターを開ける)
緑 「おはようございます」
赤間 「おはよう緑。いつもながら、早いね」
緑 「ここが一番居心地いいからね」
赤間 「確かに」
緑 「でも、私たちがここに集まる意味ってあるのかな」
赤間 「お前も、そんな事考えちゃうんだ。それを考えるのは俺の仕事だと思っていたのに」
緑 「だって、そうでしょ。昨日の今日だよ」
赤間 「昨日、帰ってから色々考えたんだけど、やっぱり今は動くべきではないと思うんだ」
緑 「っていうと?」
赤間 「まだ俺たちは世の中から理解されていないだろ?だからまず、こっち側の人をいかに増やすか。っていうか見つけるかだな。」
緑 「公演せずに、探すのって、けっこう大変だと思うよ」

白石、上手奥から登場。接近アラームが鳴る。

赤間 「黄田か?」
緑 「そうじゃない」

白石、シャッターをノックする。団員リズムじゃない普通のノックなので、赤間と緑一瞬固まる。

白石 「白石です」

緊張が解ける。

赤間 「開いてるぞ」
白石 (シャッターを開け)「おはようございます」
緑 「おはよう白石ちゃん、どうしたの?」
白石 「行く所無いんで、来ちゃいました」
赤間 「こーの不良娘」
白石 「てへ」
赤間 「何がてへだ~。それから、シャッターをノックするときはこうね。(団員リズムでノックする)俺たち、開ける前に誰なのか知りたいから」
白石 「わかりました」(シャッターを団員リズムで叩く)あ、昨日読みましたよ。カンゲキジャー」
赤間 「ああ~」
白石 「これって、誰が書いたんですか?」
赤間 「あ~俺。脚本担当だから…」
白石 「赤間さん、面白かったです!」
赤間 「どっちかっつーと、子供向けの内容だけどな。理想の社会を目指す俺の心の叫びだ」
緑 「そろそろその俺っていうの止めたら?一応女なんだし」
赤間 「一応!?」
白石 「私、この作品観てみたいです」
赤間 「おおぅ、けっこう危険な発言だな。警察に見つかったら、捕まるぞー」

黄田、上手奥からセンサーを回避し、台を下りて来る。接近アラームは鳴らない。

白石 「ここでなら大丈夫なんでしょ?」
赤間 「大丈夫だとは思うけど、現場を見られたら、何とも言えないな」
白石 「そうですか…」
赤間 「それに、だいぶ前の作品だからなぁ…俺セリフ抜けちゃったかもしれないしなぁ」
緑 「私は今でも大丈夫だと思うけど、基本的に4人芝居だから、黄田が来ても出来ないかな」
黄田 「ウチがどうしたって?」(シャッターを開けながら)

寿命が縮まる赤間と緑

赤間 「お前な、そのセンサーかいくぐって来るの止めろよ。焦るじゃねーか」
黄田 「へへん、ドッキリ成功!あ、おはよう白石さん」
白石 「おはようございます。あの、カンゲキジャーやってもらえませんか?」
黄田 「カンゲキジャーね~。青木さんは来るの?」
白石 「今日は来ません」
黄田 「じゃ、無理じゃない?」
白石 「やっぱりダメですか…。私で良かったら、青木さんの代役やりますよ」
緑 「青木さんの役は、カンゲキジャーのリーダー、カンゲキブルーだよ?」
白石 「はい、知ってます」
黄田 「白石さんのカンゲキブルーか~。ちょっと難しいんじゃないかな」
赤間 「うん、俺もそう思う」
白石 「私、実は演劇の経験があるんです!」
赤間 「は~っ!!」
黄田 「どこで?」
緑 「本当に??」
赤間 「はは~ん、それで家出して来たんだな~」
白石 「詳しくは…言えないんですけど…」

緑、カンゲキジャーの台本を取りだし、ぱらぱらめくる。

緑 「じゃあさ、12ページの頭からやってみよ。白石ちゃん、思いっきり声出してみて」
白石 「はい」
緑 「リーダー、ヤリスギールよろしく」
赤間 「え、ちょっと台本見せて」
緑 「はい」
赤間 「ふむ。ここか。OK」
緑 「白石ちゃんこっち。じゃいくよ~」
黄田 「あ、ちょっと待って」

黄田、音響装置セッティング。白石は台本片手に演技。

黄田 「OK」

緑、手を叩く

赤間 「今や社会は俺達ヤリスギールの手の中にある。お前たち一般市民は、黙って俺たちの言う事を聞いていればいいのだ!」
白石 「あんた達の言う事は、間違っていないかもしれない。だけど、それと引き換えに犠牲にしているものがあるのよ」
赤間 「そんなちっぽけな犠牲」
白石 「心ないエリートのあんた達には気づけないでしょうね」
赤間 「何を!」
白石 「市民の心の中にある、怒りに!」
赤間 「うるさい!!」

赤間が剣を振る。倒れる白石。

赤間 「弱い者は、強いものに従っていればいいのだ」
白石 「うう、こうなったら…。変身!カンゲキジャー!!」

SEを流す黄田

白石 「流水海に広がり、立つ波しぶき、カンゲキブルー参上!」(アドリブの振り付け)

緑、拍手

緑 「白石さん、すごーい。ブルーになりきってたよ」
黄田 「久々に、SE流しちゃった」
赤間 「なんかいいな、お芝居って」
白石 「私で、役に立ちそうですか?」
赤間 「よっしゃ~、じゃ、白石さん1人のために、カンゲキジャーもう一回やってみるか」
緑 「リーダーが久々にリーダーに見える」
黄田 「なんかこのワクワク感、久しぶりだね」
赤間 「よし、頭からやってみよう。でも、白石さんブルーやったら観客じゃなくなっちゃうね」
白石 「大丈夫です。観るより演じる方がもっと楽しいので。あと、よろしければなんですけど、下の名前純菜っていうんで、それで呼んでもらっていいですか?」

3人顔を見合わせる。

赤間 「あ~純菜かー」
緑 「ブルーの再来?」
黄田 「純菜ちゃんね、OK」
白石 「ど、どうしたんですか?」
黄田 「ああ、青木さんの下の名前も純菜だからさー」
白石 「そうなんですか…」
赤間 「おし、ちょっと黄田、念のため接近センサーチェックしてきて」
黄田 「わかった」

外に出る黄田。

緑 「それにしても純菜ちゃんが役者やれるって言う事は、私たちの他にも密かに演劇やってる人たちがいるってことだよね!」
赤間 「そうなるな」

黄田、センサーを作動。鳴る近接アラーム

赤間 「今この音聞きたくなかったかも」
緑 「って、指示したのあんたでしょうが」

戻る黄田

黄田 「鳴った?」
赤間 「いや、反応しないよ?」
黄田 「え~!!何でだ?」

また外に出て、センサーチェック

赤間 「ふん、仕返しだ」

鳴るアラーム。

緑 「え~と、どこ仕舞ったっけ…。あった。白石ちゃん、これ持って」
白石 「嘘ぴょーん…。私がこれ持つの!?」
赤間 「うん!」

戻る黄田

黄田 「どこも異常ないんだけ…もう!」
赤間 「さっきのお礼だ!」
黄田 「やられた~」

暗転・音響で流れるニュース

ニュース 「本日早朝日本時間で午前3時頃、東ヨーロッパウクライナ地方で、ロシアとEU連合との小競り合いが起こり、双方に死者が出た模様。日本はEU連合の後方支援を行っており、直接の被害はありませんでした。しかし連合からは連日戦列への参加要請が来ており、ウクライナでも日本が兵站を担うべきか本日行われる閣僚会議で首相が判断を行う模様です」

ニュース途中から溶暗・下手台の上にいる青木、スマデの画面をタッチして、情報受信を停止。しばらく物思いにふける。

青木 「何やってるんだろうな私…」

白石、お土産を持って下手奥から登場。

白石 「ただいま~」
青木 「お帰り。ちゃんとルール守って過ごした?」
白石 「もちろん。稽古場以外はね」
青木 「今日も、向こう行ってたんだ」
白石 「はい。青木さんが出来ない分私が代役やって、カンゲキジャーの練習してきましたよ。あと、これお土産。3人からです」
青木 「あら、鯛焼きじゃない」
白石 「あの、青木さん、子供たちに何とか伝えられないんですか?本当のこと…」
青木 「どうしたの?いきなり」
白石 「だって、さっきも学校帰りの小学生5~6人の集団とすれ違ったけど、みんな前を向いて、1列に並んで無言で歩いてるんですよ。私それ見たら、なんか怖くて」
青木 「あ~そうね。純菜は昔の感覚持ってるのか。私から見たら、当たり前の光景なんだけどね」
白石 「え~絶対変ですよ」
青木 「うん、ちゃんとコミュニケーション能力育つのかなって不安に思うけど、ルールだからね…。ところで、練習はどうだった?ヤリスギールにいじめられて来た?」
白石 「赤間さん、すごいいたぶり方しますよね」
青木 「あの人の悪役は最高だよ」
白石 「赤間さん、何でカンゲキジャー書いたんだろう?」
青木 「人間がどんどん管理されて、自分の意思を持たなくなって、ただの労働力になっていくのを見るのが忍びなかったんじゃないかな」
白石 「青木さん、青木さんの権限で、クラスの生徒にカンゲキジャー見せる事って出来ないんですか?ブルーの代役は、私ががんばりますから」
青木 「…校内でそんな事したら、私の首が飛ぶかもね」
白石 「じゃ校外では?」
青木 「校外…!!そういえば、来週4年生は遠足だ!」
白石 「どこに行くんですか?」
青木 「みちのく杜の湖畔公園」
白石 「カンゲキジャーは、どこででもできますよ」
青木 「あなた本当に変なことばっかり思いつくのね」
白石 「だって、おかしいって思っている人が、行動を起こさなかったら、社会は変わらないじゃないですか」
青木 「同じ事言うのね」
白石 「え?」
青木 「真さんと」
白石 「私は作品に本当の役割を果たしてもらいたいって思ったの。そして、私にそのお手伝いが出来るなら…」
青木 「そうね、じゃ明日仕事が終わったら、リーダーの所に相談に行こうかな」
白石 「はい。あ、せっかくの鯛焼き、冷めちゃいましたね」
青木 「…ちょっと温めてくるね」

青木、後ろを回って下手にハケル

白石 「私やっぱり演劇続けたいな」

暗転。ジングル。黒崎のスマデが鳴る。明転。情報管理局。

黒崎 「はい黒崎です。はい…はい…。分かりました。じゃ、そっち行きますね」

切る

金城 「どした?」
黒崎 「今、紺野から連絡があって、青木が例の稽古場に向かっているらしいです。ちょっと様子見に行ってきます。おやぶんはどうします?」
金城 「今日は二人で頼むわ。私は極道山を応援するという大役があるので」
黒崎 「また相撲ですか」
金城 「だって、今日の相手は黒煎豆なのよ」
黒崎 「あ、南米出身の力士、お豆ちゃんですね」
金城 「そう。今日の一番は日本とコロンビアの戦いなのよ!」
黒崎 「じゃ二人で行ってきます」
金城 「あ、そうだ。青木の旦那がイラクに展開する特科隊所属になったらしい」
黒崎 「特科隊って、迎撃ミサイル部隊じゃないですか」
金城 「自分から志願したのかな」
黒崎 「う~ん。とりあえず、奥さんの方の様子見に行ってきます」
金城 「おう、後で報告よろしく」
黒崎 「了解しました」

稽古場。カンゲキジャーの稽古中

白石 「ヤリスギール、そこまでだ。お前たちの政策、このカンゲキブルーが叩き切ってくれる!」
赤間 「う~ん…、お前たちの政策っていうか、そこ『こんなふざけた政策』とかにしようか?」
緑 「あー、それいいかも」
黄田 「その方が、伝わりやすいと思う」
赤間 「じゃ、純菜ちゃん、こんなふざけた政策でもう一回」

青木、上手奥から登場。接近アラームが鳴る。緊張。

赤間 「はい、ストップ!台本とか隠して」

4人てきぱきと片付ける。青木、団員リズムでノックする。解ける緊張。緑シャッターを開ける。

緑 「おはようございます」
青木 「おはようございます」
黄田 「青木さん、おはようございます」
赤間 「どうした?」
青木 「どう、純菜ちゃん、使えてる?」
赤間 「おうよ、飲み込み早いから、即戦力って感じだね」
青木 「それは良かった。実はリーダーに相談があって、今日来たの」
赤間 「青木にリーダーって呼ばれるのも、懐かしいな。劇団に戻りたいってか?」
青木 「そんなわけ無いでしょ」
赤間 「じゃ何だよ」
青木 「ところで、接近アラームは機能してる?」
赤間 「完璧!」
青木 「昨日真剣に考えたんだけど、カンゲキジャーさ、子供たちに見せて見ない?」
黄田・緑 「え?」
赤間 「アンタ本気で言ってるのか?」
青木 「演劇って、何のためにあるの?人の心を揺さぶるためじゃないの。そのための劇団であり、そのためのカンゲキジャーじゃないの?」
赤間 「そりゃそうだけどよ、学校が俺たちを招くわけ無いじゃん」
青木 「ゲリラ上演よ」
黄田 「一体どこで?」
青木 「来週の金曜日さ、うちの小学校で4年生遠足なの。行き先は、みちのく杜の湖畔公園。昼食は皆お弁当だし、ちょっとした広場で食べるはず。ねらい目はそこよ」
赤間 「そんな情報ここで喋っていいのか?」
青木 「保護者にはプリントで伝えてある事よ。別に極秘事項じゃないわ」
黄田 「まあ、そうだね」
赤間 「でも、そこで芝居をしたら、警察から目を付けられているお前は確実に怪しまれるぞ」
青木 「怪しまれるけど、状況証拠しか無い分けだから、私のことは気にしなくて大丈夫。…ただ、ゲリラ上演を決行した場合、あなたたちは遅かれ早かれ警察に捕まると思う。平日とは言え、一般市民もいるわけだし、誰かがきっと通報するはず」
赤間 「…どうする?この話」
緑 「負けと分かって勝負を挑むのか」
黄田 「勝負を挑んで負けるのか」
赤間 「はたまた、勝負を挑まず負けるのか…。それだけはないな」
緑 「うん」
赤間 「ってことは、負けと分かって勝負を挑むか、勝負を挑んで負けるかのどっちかだ!」
黄田 「リーダー、同じ事じゃないの?」
赤間 「そうだ、答えは最初から出ていたんだ」
緑 「それじゃあ、本格的に小道具も作り直さないとね!」
赤間 「よーし、買い出し行くか!」

白石、青木を見る。微笑む青木

青木 「じゃ私はこれで」

黒崎、紺野、上手奥から登場。接近アラームが鳴る。

赤間 「おっと、招かれざる客だ!」
黄田 「うん」
緑 「リーダー、どうする?」
赤間 「シナリオBだ」
青木 「OK」
白石 「シナリオB?」
青木 「純菜も参加だからね」

ノックの後、黒崎、紺野入ってくる。

黒崎 「こんばんは」
緑 「あら、お客さん」
赤間 「ふぁ~~、眠い…」
黄田 「先週買い置きしてたカレー、どこに仕舞ったっけかなぁ」
緑 「赤間、お客さんだよ!」
赤間 「昨日寝てないんだから、もう少し寝かせてくれよ」
青木 「先日お会いした警察の方ですね。お仕事ご苦労様です」
黒崎 「いやいや、今日はどういった集会ですか?」
黄田 「カレー!!どこ行った~!!」
緑 「ちょっと黄田、うるさいわよ!」
黄田 「だって、この前ここに仕舞っておいたはずなんだぞ!」

黄田、赤間を睨む

黄田 「赤間、食ったのお前だろう!」
赤間 「バーモントカレーの辛口か?知らねえなぁ」
黄田 「…貴様、私の楽しみを奪ったな!!」
赤間 「何だよ、俺は眠いんだっつーの」
紺野 「あ~もう、警察の前で喧嘩はやめて下さいね」
白石 「最近いつもこんな感じなんです。だから仲裁に入ってもらおうと思って青木さんを呼んだんです」
黒崎 「はあ、そうだったんですか…」
緑 「私もう、こんな劇団辞めようかな…」
赤間 「おう、辞めたきゃ勝手に辞めろ。その代わり、泣いて戻ってきても絶対入れてやらないからな」
黄田 「緑はどうでもいいけど、赤間!カレー代は弁賞してもらうからな」
赤間 「だから食ってねーって言ってんだろ!」
緑 「さようなら!」
黄田 「じゃなんで、バーモントカレーの辛口って知ってるんだよ!」
白石 「あ、緑さん、ちょっと待ってくださいよ」
赤間 「お前と何年付き合ってると思ってるんだよ、お前の嗜好は調査済みだっつーの!」
黄田 「ちょうどいい、ここに警察が来てるから、捜査してもらおうか!」
紺野 「あ、いや、我々ただ立ち寄っただけですから…」
黒崎 「捜査依頼するなら、署のほうに電話下さい。仕舞っておいたカレーが無くなりましたって…」
黄田 「今すぐお願いします!」
青木 「あんたたちいい加減にしなさい!もう、警察の方も困ってるじゃないの!!」

場がしらける

紺野 「黒崎さん、引き上げましょ」
黒崎 「あんまり大騒ぎしないで下さい。苦情が来たら、しょっ引きますから!」
黄田 「すみません。カレーごときで興奮して…」
黒崎 「わかればいいです。では」

黒崎出る。紺野シャッターを閉める。メンバーはそーっとシャッターに近づき、聞き耳を立てる。

紺野 「これ、金城おやぶんに何て報告します?」
黒崎 「あなたが考えなさい!!私は知らないわ!」
紺野 「え~そんな~ここ巡回に行こうって言ったの黒崎さんじゃないですか…カレーがなくなって…」
黒崎 「ここはTAじゃないわよ!」
紺野 「すいません」

二人上手奥に去る。メンバー全員でハイタッチ!

黄田 「リーダー流石だね!」
赤間 「伊達に役者続けてねーっつーの!」
緑 「純菜ちゃんのアドリブも良かったよ!」
白石 「そうですか?」
赤間 「そして何より、青木の怒鳴り声も健在と来た。久々に聞いたなアンタの怒鳴り声」
青木 「大声だけは学校で毎日出してるからね」
赤間 「よーし、練習再開だ!青木、純菜ちゃんのブルー見ていくか?」
青木 「あまり長居すると怪しまれるし、私は帰るわ。純菜、練習がんばってね」
白石 「はーい」

暗転。公園のSE、遠足当日、子供たち役は観客。明転。

青木 「それでは4年1組の皆さーん。先生のお話を聞いて下さーい。今日はこの広場で今からお弁当を食べます。班毎に敷物で場所を取って、頂きますをしてから食べて下さい。それから、このラインからこっち側のエリアは、他のお客様が使うので、ラインのそっち側でお弁当食べて下さいね。先生からのお話は以上です」

背伸びをする振りして大きな丸を作る青木。青木はそのまま観客席の最前列に座る。とそこへ赤間が衣装を着て登場

赤間 「お~お~お~。何だ今日は。小学生がたくさん居るじゃないか!お昼の時間だから弁当食ってるのか。では挨拶をしよう。こんにちは~」
観客 「…」
赤間 「あれ~今の小学生は挨拶も出来ないのかな~もう一度。こんにちは~」
観客 数名、「こんにちは」
赤間 「ふん、まあいい。お弁当の中身をちぇっくするぞー。あ、それ海老フライ。そんな贅沢なもの、1人で食べちゃいけないなあ、俺にも食わせろ。(舞台ぎりぎりまで行っての演技。1つつまんで食う)ふん。冷凍食品だな。お、こっちは唐揚げか。別に全部取り上げようって訳じゃない、1つもらうだけだ。そんなに怖がらなくていいんだよ。よしよし。(と言って、またつまんで食べる)どうした、そんなに静かになっちゃって。私は、世界の秩序を守る正義の味方、ヤリスギールだ~。私のために食事を提供する事。それはこの上ない喜びとなろうなぁ。はっはっは」

緑登場。黄田は音響装置を持って登場。後に行き、セッティング。

緑 「ヤリスギール、出たわね。こんな所で小学生をいじめて何が面白いの!」
赤間 「いじめてる?何を人聞きの悪い。私は世界の秩序を維持するという、それはそれは大きな仕事を政府から依頼されているんだ。キサマら一般市民に文句を言われる筋合いはない。君たちそうは思わないか?」
観客 「…」
緑 「ねえ、みんな、良く聞いてね。お姉さんが今から質問をするから、そう思った人は、はーいって言って、手を上げてね」
観客 「…」
緑 「あら~お返事出来ないの?お姉さん悲しいなぁ~。せっかく楽しいお弁当の時間なんだから、みんなしっかりお返事しようよ」
観客 「…」
赤間 「ふ、この子たちに反応を求めるとは愚かな行為だ」
緑 「じゃ、ウォーミングアップを兼ねて、お姉さん、1曲歌うわね」

ミュージックスタート。黄田、緑にマイクを渡す。

緑 「聴いてください!私たちのテーマソング。ユメセカイ」

歌う緑。赤間は曲の途中からマスクを取って手拍子。黄田、青木もつられて手拍子。

――― ユメセカイ ―――
積み上げた、未来が崩れ
景色は色褪せていく
それでも不幸に溺れたくない
歌を歌えば私は輝けるから

どんな困難がそこにあっても
僕らは希望に近づいていく

同じ苦しみや喜び分かち合う仲間と
永遠の一瞬を演じるために
無限の可能性を歌に乗せて
この道をどこまでも進んでいこう

みんなに笑顔を、届けるために
――――――――――――

緑 「ありがとうございました!」
赤間 「はい拍手~」
緑 「それじゃ、もう一回聞くよ~。お姉さんが今から質問をするから、そう思った人は、はーいって言って、全員手を上げてね。道路をお友達と歩く時、お喋りしたいと思った事あるひとー!」

観客 青木の他、数名が手を上げる(要サクラかも)

緑 「何人かの(たくさんの)お友達が手をあげてくれましたね。そう、お姉さんもそう思うのよ」

そこへ金城、黒崎、紺野が上手奥からやってくる

金城 「なんだこの騒ぎは」
紺野 「あ、あいつら」
黒崎 「派手にやってるわね」
紺野 「金城おやぶん、止めますね」
金城 「せっかくだ、ちょっと観ようじゃないか」
黒崎 「いいんですか」
金城 「終わったら、しょっ引け」
紺野 「了解しました」

赤間、緑、黄田、固唾を飲んで、警察の方を伺う。警察は静観。

赤間 「(小声で)続けるぞ!」

うなずくメンバー

赤間 「あ、あのお姉さんの言う事を聞いちゃダメだぞ。お喋り歩きはマナー違反だからな」
緑 「ヤリスギール、あなたのやってる事は本当に正しいと思っているの?」
赤間 「あたりまえだ!みんながルールを守るから、安心して暮らせるんだろう、そしてその秩序を守るのが我々正義の味方ヤリスギールだ」

黄田、BGM(テーマ緊張)を再生して、前に出る

黄田 「ヤリスギール、子供たちは今、お喋り歩きがしたいって言ってるじゃないか。その意見は全く聞かないのか」
赤間 「そんな少数意見、取り上げるだけ時間の無駄だろう」
黄田 「大人の感性を子どもに押しつけていいのか、ヤリスギール、お前の政策や、お前の指導は全部ヤリスギーだ!!」
緑 「そうよ、ヤリスギー!」
赤間 「なーにがヤリスギーだ。面白くない。こういう反乱分子の目は早い所摘んじまおうか。食らえ!」
黄田 「うっ」
緑 「あぁ」
赤間 「ザコどもめ」

赤間、緑と黄田に向かって攻撃、やられる黄田と緑。そこに白石登場

白石 「待たせたわね」
黄・緑 「ブルー」

黄田、後ろに下がって、音響チェンジ。(テーマ希望)

赤間 「今や社会は俺達ヤリスギールの手の中にある。お前たち一般市民は、黙って俺たちの言う事を聞いていればいいのだ!」
白石 「あんた達の言う事は、間違っていないかもしれない。だけど、それと引き換えに犠牲にしているものがあるのよ」
赤間 「そんなちっぽけな犠牲」
白石 「心ないエリートのあんた達には気づけないでしょうね」
赤間 「何を!」
白石 「市民の心の中にある、怒りに!」
赤間 「うるさい!!」

赤間が剣を振る。倒れる白石。

赤間 「弱い者は、強いものに従っていればいいのだ!」
白石 「うう、こうなったら…。変身!カンゲキジャー!!」

SEを流す黄田、各自扇子を開き変身する。

白石 「流水海に広がり、立つ波しぶき、カンゲキブルー参上!」
緑 「大地の恵み、萌ゆる緑、カンゲキグリーン参上!」
黄田 「カレーの戦士、華麗に登場、カンゲキイエロー参上!」
白石 「我ら」
3人 「演劇戦隊カンゲキジャー!」
赤間 「ふっ。とうとう尻尾を出したな、カンゲキジャー、今日こそ息の根を止めてくれるわ!」
金城 「おもしろいじゃないか」
紺野 「いいんですか、このまま観ていて」
金城 「もうちょと待とう」
白石 「ヤリスギール、そこまでよ。こんなふざけた政策、このカンゲキブルーが叩き切ってくれる!」
赤間 「返り討ちじゃ~~」
白石 「うあ!」

赤間、手に持った剣をぶんぶん振るう。各個撃破されるカンゲキジャー

黄田 「ぐは」
赤間 「そりゃ~」
緑 「キャー」
赤間 「ふん!」
白石 「つ、強い…」
赤間 「こっちは税金たっぷり使って強化しているんだ、お前らごときに負けるはずはない。はーっはっはっ!」
白石 「こうなったら、力を合わせるよ」
緑 「皆の意見はバラバラでも」
黄田 「力を合わせれば、対抗できるって事を見せてやる」
三人 「必殺奥義、カンゲキ、シター!!」

黄田、音響装置をポンと叩いて、技を繰り出す。鳴るSE。

赤間 「うわ~~!!!カンゲキシター!!ま、まさかキサマらごときに、この俺様が負けるなんて…」
金城 「ううん?正義の味方が負けるのは、ストーリーとしてまずいな」
黒崎 「そうですね」
金城 「よし、中止だ」
黒崎・紺野「わかりました」
白石 「みんなー、これでお喋り歩きが出来るようになったよ。みんなも身の回りにいるヤリスギールを…」

手を叩きながら、場に割って入る黒崎、紺野

黒崎 「はーい、盛り上がってる所悪いんだけど、公演はやめてもらおうか」
紺野 「ちょっとこの人たち、まずいことしてるんだよね」

観客席から舞台に上ってくる青木

青木 「…ちょっと待ちなさい」
紺野 「あら、この期におよんで、公務執行妨害ですか、青木さん」
青木 「償わなければいけない罪ならばちゃんと償うわ。でも、今あなた達にこのお芝居を中止する権限は無いのよ!」

青木の前に進み出る金城

金城 「今日もイラクでは小規模な戦闘が起こった。あなた達は戦地の事を考えた事あるのか?向こうでは、本国にいる私たちのために、命をかけて戦っているのよ!」
青木 「命なんかかけさせないでよ!お互い傷つけ合って、いがみ合って、殺し合って…。国は何がしたいの!わたしたちはみんな笑いあって暮せる世の中を、望んでいるのよ!それの何がいけないの!!私は…私は、日本政府に反旗を翻します」

白石から扇子を奪う青木。

金城 「な、何だと!」
青木 「流水海へ広がり、立つ波しぶき、カンゲキブルー、参上!」
各自 「青木さん!」
青木 「警察官の皆さん、あなた達は本当に社会のために奉仕する公務員として、仕事をしている誇りがありますか?友達とお喋りしながら帰る小学生を見て、注意する事に何のためらいも無いのですか?それで本当に満足なんですか?」
金城 「に、日本は法治国家だ。法律を破ろうとする者がいれば、それを取り締まるのが我々の任務だ。異論はあるか」
赤間 「…シナリオXだ」

黄田、赤間に扇子を投げる。赤間、衣装を脱ぎ棄て、扇子を開く。

赤間 「流れる血潮、不滅の火炎、カンゲキレッド参上!みんな!最後のセリフだ」

うなずくメンバー。

黄田 「みんなー!!お弁当半分しか食べてないでしょ、お腹空いてんだから、続き食べていいよ。以上」
緑 「みんなー!!私の歌どうだった?歌なんて久々に聞いたでしょ?お姉さん、本当はSMF48のセンター目指していたんだよ。以上」
青木 「4年1組のみんな、先生多分捕まっちゃうから、明日からは別の先生が来ると思う。仲良くしてあげてね。みんな、…ごめん」
赤間 「この劇団を背負って、重ねた年月、みんな、楽しかったぜ。ついに、解散だな。悔いは無いか」
3人 「リーダー…」
金城 「よし、手錠をかけろ」
紺野 「はっ」
黒崎 「娯楽禁止法違反で現行犯逮捕します」
白石 「待って…待ってよー!!」

ポケットから扇子を出す白石

白石 「時空を超え、飛びこむ一筋の光、カンゲキホワイト参上!」
赤間 「純菜ちゃん!」
金城 「そうか、もう1人いたか」
白石 「警察の皆さん!こんな事して、誰が徳をするの?」

警察3人、動きが止まる

白石 「本当に、あななたちは、この4人を逮捕したいの?この人たち悪者なの!?私、この扇子のせいで、20年前の時代から来た人間なんです。だから、戦争なんか知らない。みんな学校では楽しく過ごしてたし、高校卒業したら、みんな自分の進みたい道に進んでます。それが当たり前だと思わないんですか!」
金城 「…」
白石 「赤間さん、黄田さん、緑さん、本当の事隠していてごめんなさい。私、私本当は幸せな時代に生きている人間だったんです。だから、ここで何も言わなかったら一生後悔する!みんなの自由を奪わないで!私、こんな未来絶対嫌だ!!」
赤間 「純菜ちゃん…」
黄田 「ありがとう」
緑 「純菜ちゃんの気持ち、受け取ったよ」
金城 「嫌だ…か」
紺野 「おやぶん何感傷に浸ってるんですか!こいつら法律破っているんですよ!嫌だとかそんなの関係ないですよ」
金城 「お前…。何も感じないのか?」
紺野 「感じないこともないですけど。仕事中にそんな私情を持ち込んでは…」
金城 「私が警察になりたての頃、今より断然いい世の中だった。君らはその事を思い出させてくれたよ」
黒崎 「え…」
金城 「間違っているのは、私たちの方かもしれない。生きるために必死に働いて人生を楽しむ事を放棄した人たちに比べたら、この人たちのほうがよっぽど人間らしいんじゃないか?」
紺野 「人間らしい…?」
金城 「あんたたちの公演、認めてやろうじゃないか。もし、いちゃもんつける奴がいたら、この金城が斜めから見てんじゃねえぞって指導してやる!」
黒崎 「おやぶん…」
紺野 「いいんですか?」
金城 「赤間さんだっけ?いい芝居だったよ」
青木 「…」
金城 「それから、皆さん、人々に演劇の素晴らしさと自分たちの思いをしっかり伝えてくれ」
紺野 「こいつら法律やぶってんですよ?」
金城 「私の管轄下では、演劇は目をつぶる。それが嫌なら、異動希望を出しなさい。引き上げるぞ」
黒崎 「はい!」
紺野 「は、はい…」

3人ハケる。一瞬振り返る黒崎

赤間 「ど、どうなったんだ?」
青木 「警察の一部をこっち側に引きずり込めた?」
緑 「のかもしれない」
黄田 「ってことは?」
白石 「演劇続けられますね!」
赤間 「さー、これからどんどん忙しくなるぞー」
緑 「皆さーん!観てくれてありがとうね!」
赤間 「よーし、帰って作戦会議だ!」
黄田 「OK!」
青木 「純菜、私ね、20年前の名前白石純菜っていうのよ」
白石 「えっ!?」
青木 「私は、親に言われるままに教師になったけれど、今のあなたはきっと違う。あなたが変われば、世界はもっと素敵になるのよ」
白石 「青木…さん?」
青木 「純菜、せーので扇子開くわよ!」
白石 「え?あ、はい」
青木 「せーの!」

二人同時に扇子を開くとタイムスリップ。暗転中に扇子交換。もとの公園。夕暮れ時。周囲を見回す白石。誰もいない。

白石 「戻ってきちゃった?…青い」(扇子が青い)

と、目の前を自転車で通り過ぎようとする警察官。おそるおそる声をかける。

白石 「あ、すいませーん、おまわりさーん!」
金城 「はい、何でしょう?」
白石 「今日何年何月何日ですか?」
金城 「え?2014年9月20日ですけど?」
白石 「ありがとうございます!」
金城 「はい」

金城は不思議そうにしながらもそのまま下手にハケル。それを追うように下手に走りこみ、袖から叫ぶ白石。

白石 「ねー、おかーさーん、私、演劇続けたーい!!」

幕、下りながら、最後の音響さらに大きく。

――完――


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笠原 好修  投稿日時 2014/11/5 23:05
脚本自体は、地区大会で上演後、審査員の先生方からのアドバイスに沿ってバレンタイン公演用に若干手直ししております。

chalog Ver. 0.05 - PetitOOps -

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